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(2)サイリスタ整流器の動作特性
サイリスタ整流器の動作特性はダイオード整流器に比し、複雑で微妙であるが、その中で特に基本的な特徴と思われる点について説明する。
(a)転流
転流とは電流がある相の整流素子から他の相の整流素子に移ることをいう。
ダイオードによる三相半波整流回路を例にとり、各相のダイオードの電流の移り変りを見ると次のようである。

 

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図7・17三相半波整流回路における転流過程

 

図7・17、(a)結線図に示すu相のダイオードDuに電流が流れていたとし、これが(b)図の各相電圧波形中のO点、即ちu相とv相がプラス方向で同電位になった時点を過ぎるとV相の方が電圧が高くなり、(C)図中の電圧eの作用のように、ダイオードDuには逆電圧がかかるようになるので、0点でダイオードDuに電流が流れなくなり、即ち消弧の状態に至る。一方ダイオードDvは順方向の電圧がかかることになるので通電を開始する。このように電流の転移が相の素子相互間で自然に行われるのを自然転流、0点を自然点弧時点という。自然転流は電源電圧のかかり具合によって行われるので、電源転流とも呼ばれる。サイリスタで、ゲートパルスの位相制御を行う場合の位相制御角とは、0点即ち相前後する相の電圧が互いに等しくなる波形の交点からの位相角の遅れをいい、そのため制御遅れ角とも称する。サイリスタ整流装置では一般に自然転流の作用を利用しているが、直流から交流に交換するインバータ装置や、電流の断続間隔を変化させることによって一定の直流電圧から可変減圧の直流電圧を得るチョッパ制御では、自然転流を行うことができないので、タ一ンオフ動作時に一定時間サイリスタ両極に逆電圧を加えて、順電圧

 

 

 

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